第13王朝(B.C.1782〜1650)

中間期とはエジプト全土を支配するような強力な王権がなく、各地で地方豪族達がそれぞれの地域を支配している時代、混乱の時期とされる。しかし、この第13王朝は第12王朝の流れを汲む比較的安定した王権だったようである。第12王朝に官僚機構がある程度確立していたため、王家の混乱などがあっても有能な宰相による統治が出来たものと思われる。


@ウガエフ


誕生名:ウガエフ



即位名:クタウイラー


即位名の意味は「ラーは二つの土地を守る」。「クタウイラー」の「タウイ」は「二つの土地」という意味で上エジプト(ナイル川上流域)と下エジプト(ナイル川下流域)を示す。右側のヒエログリフ[=]でタアウイ([−]でタア;大地、[=]と2つ重ねるとタアウイ;二つの大地)。





Aアメニ・アンテフ4世(アメンエムハト5世)


誕生名:アメニ・アンテフ・アメンエムハト



即位名:スアンクイブラー


誕生名の意味は「アメニイ・アンテフ、アメン神を頭にかかげる」、即位名の意味は「ラーの心は生きる」。





Bホル


誕生名:ホル



即位名:アウイブラー


即位名の意味は「ラーは心を救う」。この王の墓がダハシュールで発見されている。この墓からは立派な木製の王の像が出ており、遺物の少ないこの王朝では一際目を引くものである。





Cセベクヘテプ2世(アメンエムハト6世)


誕生名:アメンエムハト・セベクヘテプ



即位名:セケムラー・クタウイ


誕生名の意味は「アメン神を頭にかかげ、セベク神を喜ばせる」、即位名の意味は「力強きはラー、二つの土地の保護者」。セベク神はナイルの水の神で、ワニの姿で表される(ヒエログリフもワニが厨子の上に乗っている形)。





Dケンジェル


誕生名:ケンジェル



即位名:ウセルカラー


即位名の意味は「ラーの魂は力強い」





Eセベクヘテプ3世


誕生名:セベクヘテプ



即位名:セケムラー・セワジタウイ


誕生名の意味は「セベク神を喜ばせる」、即位名の意味は「ラーは力強く、二つの土地を栄えさせる」。





Fネフェルヘテプ1世


誕生名:ネフェルヘテプ



即位名:カーセケムラー


誕生名の意味は「美しく、喜ばしい」、即位名の意味は「力強きはラーの魂」。





Gセベクヘテプ4世


誕生名:セベクヘテプ



即位名:カーネフェルラー


誕生名の意味は「セベク神を喜ばせる」、即位名の意味は「美しきはラーの魂」。

 セベクヘテプ4世の石碑片






Hアイ


誕生名:アイ



即位名:メルネフェルラー


即位名の意味は「美しきはラーの願望」。





Iネフェルヘテプ2世


誕生名:ネフェルヘテプ



即位名:セケムラー・スアンクタウイ


誕生名の意味は「美しく、喜ばしい」、即位名の意味は「力強きはラー、二つの土地に命を与える者」。スアンクタウイの「アンク」は「生命」を意味する。


アンク






第14王朝

第13王朝の後期に平行して東デルタ地帯にこの王朝が存在したようであるが、遺物が少なく詳細は分かっていない。


@ネヘシ


誕生名:ネヘシ



即位名:アアセフラー


即位名の意味は「ラーは諮るべき偉大な者」。セト神を崇拝していたようである。